障害年金の不合理見直しへ~重度になったのに減額

2016-12-12

障害が2つ以上ある場合の障害の程度の認定の方法のひとつに、差引認定という仕組みがあります。

これは、もともとあった障害と同一部位に新たな障害が発生した場合には、現在の障害の程度からもともとの前発障害の程度を差し引いて認定するというものです。

共同通信から以下のような報道がありましたので、引用いたします。

以下引用————————–

国の障害年金で、障害が重くなったのに支給額が減るという不合理な仕組みがあることから、厚生労働省は是正に向け、制度を見直す方針を決めた。検討会を設けるなどして専門家の意見を聞き、具体策を決める考え。

この問題を巡っては、生まれつき両脚に障害のある大阪府内の男性が、交通事故で障害が最重度になったのに、支給額を減らされたとして昨年、国を提訴。厚労省は「制度を見直す考えはない」としていたが、国会で追及され、姿勢を転じた。

この仕組みは「差し引き認定」と呼ばれ、体の同じ部位に別々の原因で障害を負った場合、最終的な状態から以前の障害を差し引き、2回目の障害の程度に基づき年金を支給する。

大阪府の男性は、もともと障害基礎年金2級(月約6万5千円)を受給。会社員時代の事故で最重度の1級の状態になったが、差し引き認定により最も軽い障害厚生年金3級とされ、支給額が月約4万9千円に減った。訴訟は係争中だが、国は誤りを認め、支給すべきだった約8年分の約600万円を男性に支払った。

8日の参院厚労委員会で公明党の議員が「不合理な仕組みで、廃止を含め見直すべきだ」と指摘。橋本岳厚労副大臣は「長期にわたり、見直しがされていないのは事実。専門家の意見を伺うなどして適切に対応したい」と答弁した。

引用終わり————————-

差引認定はこのように本当に不合理な制度であり、当事務所のお客様でも差引認定により不支給になったという方がいらっしゃいます。

前発障害が保険料未納期間だった場合などを想定してできた仕組みですが、実際にはきちんと保険料納付していた時期にも関わらず差引認定されているのが現状です。

また、差引認定は初めて2級の場合には適用されません。

この不合理な制度に疑問を呈し、今後見直す動きになるのは朗報ですね。

見直されて、今まで差引認定で正当な受給を得られなかった方々が受給できるようになればいいと思います。

Copyright(c) 2015 カメリア社会保険労務士事務所 All Rights Reserved.