脳出血や脳梗塞での肢体障害で初回の障害年金請求が極めて重要な理由

脳出血や脳梗塞等の脳血管疾患で片側上下肢の麻痺や言語障害が残り、障害年金を請求する場合、比較的簡単に障害年金がもらえると思われている方が多い気がします。

理由としては、リハビリが始まる早い段階で病院側から身体障害者手帳の取得を進められて簡単に取得できることも一因かもしれません。

私としては、5年以上遡って遡及請求をする場合以外で、かつ、今の主治医が障害年金を理解されていて日常生活動作(ADL)も把握されていれば、ご自身で障害年金の請求をしても良いかとも思います。

しかし、それでもその方が認定されるべき等級で障害年金をもらうということは、なかなか難しかったりします。

ケガ等で、足だけ、もしくは手だけという障害の場合と、脳出血や脳梗塞のように上下肢の広い範囲に渡る障害の認定基準は別のものをを使うからです。

脳出血や脳梗塞では日常生活動作がどの程度できないかという点を重視し、それと共に関節他動可動域と筋力を含めて判断していきます。

ですので、その方の障害や日常生活上の支障を正しく診断書に反映させてもらって初めて正しい等級で認定されるのです。

お客様の中では、

「とりあえず自分でやっても何らかの等級では認定されるだろうから」

と安易に考えて障害年金の請求をされる方もいます。

障害年金には、今の障害状態が重くなったら2級から1級(もしくは3級から2級)に上げてもらうという「額の改定」という手続きがあります。

だから、後でいつでも等級を上げてもらえると思われる方も多いでしょう。

しかしそこが落とし穴です。

脳出血や脳梗塞で障害年金をもらい、数年経って等級を上げてもらう額改定請求をした場合でも、その障害状態が何の理由で重くなったのかを審査され、その理由によっては障害状態が重くなっていても等級を上げて認定してくれません。

どういうことかというと、例えば左上下肢に麻痺が残り、2級の障害年金をもらっていたとします。

そして数年後、歩行困難の度合がひどくなり、右下肢の筋力も落ち、1級に上げるために額改定請求をします。

しかし、その歩行困難の度合がひどくなったのは、歳を取ったせいだったり、単なる体力の衰えからくるものであったりすると捉えられれば、そもそもの原因傷病である脳出血や脳梗塞のせいではないとされ、2級のままという認定をされることがあります。

実際にある裁決例では、

「保存的に治療を受けた脳出血の場合には、その障害の状態は発症後6か月程度で固定し、経過中に他の脳血管障害再発や別傷病の併発がない限り、その後も長期間にわたって障害の状態が維持されるか、症例によっては、積極的なリハビリテーションによって障害の状態が改善されることが少なくはないとされている。(中略)老衰を含め加齢に伴う全身の体力低下などによる病態が混在しており、(中略)当該傷病による障害のみを正確に取り出して判定することはできない」

とあります。

この考え方は、私としては正直どうなんだろうと思うところはあります。

私の事務所の脳出血のお客様でも、リハビリが終わってもなお定期的に受診して、数か月おきに筋肉の痙縮を和らげる注射を打ち、それでなんとか状態を保っているという方もいらっしゃいます。

脳出血や脳梗塞が原因で障害状態が重くなるということは、全くないとは言えないのではないかと思うのです。

そうは言っても、やはり初回の障害年金請求で、その方の障害状態よりも低い等級で認定されるようなことがないよう、精一杯の上位等級を狙う必要があると思いますし、その後の安心につながる気がします。

これは、脳出血や脳梗塞に限らず全ての障害に言えることなのではないでしょうか。

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