障害認定日のカルテがない場合、遡及請求できるかどうかの境目

ここのところLINEからのご相談で、同じようなものが多数ありました。

「障害認定日に医療機関を受診していなかった」

もしくは

「障害認定日に受診していた病院のカルテが既に破棄されていた」

という状況で遡及請求できないかというご相談です。

まず、遡及請求する場合、障害認定日から3か月以内(20歳前に初診日がある方は20歳前後3か月)の診断書を提出しなければなりません。

そして診断書は診療録(カルテ)に基づいて記載することになっています。

ですので、カルテが存在していなければ通常は診断書を提出することは出来ず、その結果遡及請求をすることはできません。

しかし障害年金を専門としている社労士であれば、障害認定日のカルテがない場合でも遡及請求をし、遡及が認められるという経験を何度もしています。

では、具体的にはどんな時に遡及請求が認められて、どんな時に認められないのでしょう。

ご相談者はそこが知りたいのではないでしょうか。

まず、認められやすいのは肢体の障害や眼の障害です。

肢体の障害の中でも、手や足の欠損の場合には、障害認定日に既にその状態にあったということが何らかの客観的資料により証明できれば認定されることがほとんどです。

その客観的資料とは、一番よく使うのは身体障害者手帳や身体障害者手帳を取得した時に提出した診断書。

また、義肢等を製作してもらった時の書類、日付が入った写真等も有効です。

それに加え、障害認定日当時もしくはそれ以前の学校の先生の証言や職場の上司や同僚の証言等も提出したりします。

それに対し、骨髄損傷や脳梗塞・脳出血、神経系統の難病等での肢体の障害の場合には、障害認定日当時にしっかりと他動可動域や筋力の測定をしたという客観的資料がなければ遡及が認められることは相当に難しいです。

「身体障害者手帳さえあれば認められるんじゃないですか?」と言われることも多いですが、身体障害者手帳と障害年金は制度も基準も異なるため、必ずしも障害認定日当時の障害状態として見ることはできない場合があります。

眼の障害に関しては、不可逆性または症状固定の障害で、かつ身体障害者手帳や身体障害者手帳取得時の診断書で障害認定日に障害年金の基準に該当していることを証明できれば、遡及が認められるケースがあります。

ポイントは、「不可逆性であること」または「症状固定」です。

不可逆性とは、元に戻らないことであり、病気としては「進行することはあっても、良くなることはない」ことです。

不可逆性でなければ、障害認定日に障害の状態であっても、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気や障害があるとされてしまうのです。

障害認定日の診断書が取得できない場合に、それでも遡及請求できるかどうかは、その障害やその方が何の資料を持っているかによって異なります。

障害年金の請求において全てに言えることですが、障害年金は、

「これがあれば遡及できる」

「これがなければ遡及できない」

と、単純に考えられるものではありませんし、その判断はやはり障害年金を専門としている社労士だからこそ経験をもとに判断できるのではないかと思います。

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